自動車の研究者が語る 電気自動車が中々普及しない理由

車 マーケティング

今回は電気自動車の研究者が「なぜ電気自動車が普及しないのか」についてまとめていきます。

1.背景
(1)問題点:充電装置の不足
(2)問題点:電池の性能が足りない
(3)問題点:趣味の変化に伴う若者の車離れ

① 背景
産業革命以降から、温室効果ガスの1つである二酸化炭素が大気中に大量に放出され始めた。これにより異常気象などの問題が危惧される様になった。
この問題の解決策の1つとして、ガソリン車に代わり二酸化炭素の排出が少ない電気自動車が注目されるようになった。

電気自動車(Electric Vehicles、EVs)は、内燃機関を持たず、電気モーターとバッテリーによって動力を得る自動車です。

重要なポイントをいくつかピックアップしていきます。

・動力源: 電気自動車は、主にリチウムイオン電池などのバッテリーから電力を得ます。これらのバッテリーは、充電ステーションで充電することができます。再生可能エネルギーによって充電されれば、排出される二酸化炭素の量を大幅に削減することができます。

出典: 経済産業省 資源エネルギー庁 グリーン購入パンフレット「「電気自動車(EV)」だけじゃない?「xEV」で自動車の新時代を考える(2018)」
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/xev.html

・利点: 電気自動車は、内燃機関車と比較して多くの利点を持ちます。その中には、環境への影響が低いこと、燃料費が低いこと、エネルギー効率が高いこと、静音性が高いこと、また、加速がスムーズであることなどが挙げられます。

・種類: 電気自動車には、プラグインハイブリッド電気自動車(Plug-in Hybrid Electric Vehicles、PHEVs)と、バッテリー電気自動車(Battery Electric Vehicles、BEVs)の2つの主要な種類があります。PHEVは、バッテリーと内燃機関の両方を持ち、長距離走行時には内燃機関が補助的に使用されますが、BEVは完全に電気で動作します。

・充電インフラ: 電気自動車が普及するにつれて、充電インフラストラクチャー(充電ステーション)の整備が重要となります。急速充電器や家庭用充電器など、さまざまな種類の充電設備があります。

・普及と課題: 電気自動車の普及は世界的に推進されていますが、まだまだ課題もあります。その中には、バッテリー技術の改善、充電インフラの拡充、車両価格の高さ、充電時間の長さ、バッテリーの寿命やリサイクルなどが挙げられます。

出典: 国土交通省「EV/PHV普及の現状について」
https://www.mlit.go.jp/common/001283224.pdf

②日本に電気自動車が普及しない理由は充電装置の不足にある

先ずは電気自動車の普及状況をまとめていきます。

出典: 一般社団法人次世代自動車振興センター「EV/PHV普及の現状について」
http://www.cev-pc.or.jp/event/pdf/J_all_panel.pdf, p.4

こちらのデータからわかるように全国に充電装置18000カ所が道の駅、商業施設などに設置されています。ここで電気自動車が普及していく為には充電装置が何台必要になるのか概算してみます。

出典: 経済産業省「自動車を取り巻く現状と 電動化の推進について」
https://www.esisyab.iis.u-tokyo.ac.jp/symposium/20200804/20200804-01.pdf, p.20

(2)今後電気自動車は普及していくのか?

それでは電気自動車は今後どうなっていくのか考察していきます。現在、ヨーロッパで「環境規制」が厳しく設定されいます。

①パリ協定

パリ協定(Paris Agreement)は、気候変動に関する国際的な枠組みであり、2015年に採択されました。以下に、パリ協定に関する重要な情報を示します:

目的: パリ協定の主な目的は、世界的な平均気温上昇を地球産業革命前のレベルよりも2℃以下に抑え、さらに可能な限り1.5℃以下に抑えることです。これにより、気候変動の影響を最小限に抑え、持続可能な未来を確保することが狙われています。

参加国: パリ協定は、ほぼ全ての国々が参加しています。これには、先進国や途上国など、異なる経済的・開発段階の国々が含まれています。

目標設定: 各加盟国は、自国の独自の温室効果ガス削減目標(国別貢献、Nationally Determined Contributions、NDCs)を設定します。これらの目標は、国の状況や能力に応じて異なりますが、全体として、地球の気温上昇を抑えるために十分な削減を達成することを目指しています。

進捗管理: パリ協定では、参加国が自国の進捗状況を定期的に報告し、進行中の目標達成に向けた取り組みを調整する仕組みが設けられています。これにより、各国の貢献度や取り組みの透明性が高められ、目標達成への取り組みが促進されます。

技術支援と資金調達: パリ協定は、途上国が温室効果ガス削減や気候変動への適応に必要な技術や資金へのアクセスを確保するための枠組みも提供しています。これには、先進国からの技術移転や資金援助が含まれます。

パリ協定は、気候変動への国際的な取り組みを大きく前進させる歴史的な合意と見なされています。その実施は、世界中の政府、企業、市民社会の協力が必要ですが、持続可能な未来を築くための重要なステップとなっています。

このパリ協定で定められている環境規制をクリアするには、ガソリン車ではかなり厳しいです。この基準値をクリアするには電気自動車しかないので電気自動車が普及するのはある種当たり前だと思われます。

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